こんにちは。アツエン編集部です。
エンジニアの求人倍率はコロナウイルスの影響で2020年4月以降、一時的に低下したものの2020年10月には回復、2021年2月時点では8.65倍と、コロナ以前の高水準に届く勢いとなっています。
▽職種別の転職求人倍率
引用:doda転職求人倍率レポート(データ)
このレッドオーシャンな採用市場の中で、エンジニアの採用手法が変化しています。
エンジニア採用手法の変化
従来はエージェントや求人掲載などの「受動型」の採用手法が主流でしたが、採用市場が激化する中で、直接的に自社の魅力を求職者に対して伝えられる、ダイレクトリクルーティングや採用広報といった「能動型」の採用手法が拡大しています。
また採用手法の変化だけでなく、約4割の企業が2週間以内に内定を出しているという「選考期間の短期化」の傾向も出ています(参考:type・IT業界の企業様に実施した中途採用状況のアンケート調査結果報告)。
これらの採用市場の変化から、人事・採用担当者はエンジニアのスキル要件をより理解し、「能動的な採用手法への対応」「選考期間の短縮化に向けた選考フローの見直し」を行う必要があると言えるでしょう。
今回は、エンジニア採用に関する「エンジニアのスキル把握・チェック手法」を紹介します。
スキルチェックとは
従来、現場のエンジニアが面接の中で技術的な質問や経験の確認を行うことで本人のスキルレベルを測っていましたが、昨今はいくつかの手法を用いて定量的にエンジニアのスキルチェックを行う企業が増えています。
スキルチェックを行うことで、「能動型の採用手法」「選考期間の短縮化」に繋がるだけでなく、採用基準を明確化し入社後のパフォーマンスを分析することで「より精度の高い採用」に繋げられると考えられます。
ここからは具体的なスキルチェックの方法を紹介します。
それぞれのメリット・デメリットを踏まえ、自社にとって最適なスキルチェックの方法を検討しましょう。
プログラミングスキルチェックサービス
プログラミングスキルチェックサービスを利用する方法です。
スキルチェックのための準備や結果の判断にかかる工数を最小限に押さえられることや、サービスによっては開発経験の無い人事担当者でも結果の確認が可能です。
一方で、応募者からはスキルチェックの時間がかかることや心理的ハードルなどを懸念される可能性が考えられるでしょう。
以下に3つのサービスを紹介します。
Codility(Codility Limited)
ヨーロッパに本社を置く、世界最大級のコーディング試験サービスです。
利用実績の多さから、質の高い設問・レポート結果が得られる一方、設問やその回答レポート・管理者画面などはすべて英語表記のため、応募者だけでなく採用担当者も英語表記に対応する必要があります。
- 世界最大級のコーディング試験サービス
- AmazonやIntelなど大手グローバル企業で利用実績あり
- 日本ではメルカリ・スマートニュースなどが導入
track(株式会社ギブリー)
日本国内の大手~中小ベンチャー企業まで幅広く導入実績があるサービスです。
解答されたコードを自動採点する機能があるため、開発経験のない人事の方でも採点結果の把握が可能です。
- SoftBankやNTTコミュニケーションズなど日系企業で多く利用実績あり
- 純国産ツールのため日本人にも馴染みやすいインターフェイス
- 自動採点機能により非エンジニア人事担当者での結果の確認が可能
TOPSIC(株式会社システムインテグレーター)
IT企業だけでなく学校法人の導入実績もあるサービスです。
プログラミング言語に依存しない共通スキルである「アルゴリズム力」を問う問題が出題されることが特徴です。
- trackと同様、純国産ツールのため日本人にも馴染みやすいインターフェイス
- 多言語対応しており、外国人採用やオフショア企業選定の際にも活用可能
- 株式会社エイチームのようなIT企業の他、学校法人にも導入されている
Githubでのコードシェア
Github(ソフトウェア開発のプラットフォーム)に公開されているコードから、応募者の技術的スキルを見極める方法です。
応募者としてはすでに手元にあるデータを共有するだけなので工数が少なく、応募へのハードルが下がると考えられます。
一方で、採用側としては現場エンジニアがコードを確認する必要があるため現場に負担がかかることや、そもそも応募者が個人でGithubを使用していない場合もあるため、注意が必要です。
過去プロジェクトの公開
職務経歴書や面接時に、過去にどのようなプロジェクトでどのような立場で関わったのか、どのような実績を上げたのか、確認する方法です。
企業・候補者側双方に工数を掛けずに行えることや、確かな実績をもとに本人のスキルの見極めが出来るメリットがある一方で、守秘義務によりプロジェクト情報を開示出来ないケースも多くあるため、その場合は別の方法を検討する必要があります。
ホワイトボードコーディング
ホワイトボードやオンライン上の共有エディタにプログラミング問題を回答させる方法です。海外では一般的な選考方法ですが、日本でも外資系企業やメガベンチャーなどで導入されているケースがあります。
企業側としては、その場で問題に対しての回答が確認出来たり、回答の意図や追加の質問が出来るメリットがあります。
その一方で、候補者のスキル・経験に合わせた適切な問題の準備や当日の対応など、現場のエンジニアに工数が掛かることや、候補者が同様の選考の経験がない場合、緊張感のある慣れない環境下で本来の力を発揮出来ない可能性がある、といったデメリットが考えられます。
番外編:求人媒体運営会社が提供するスキルチェック情報の活用
求人媒体会社側が予め求職者のスキルチェックを行い、ランク付けを行った上でエントリーを受け付ける仕組みのサービスがあります。
人事・採用担当側でスキルチェックを行う工数が削減されることや、ある程度のスキルレベルを持った候補者という前提で選考を進めることが出来るメリットがあります。
一方で、あくまで運営会社側が設定・実施したスキルチェックのため、自社ならではの見極めポイントやスキル基準の判断が難しいケースも考えられます。
以下に、サービスの一例を紹介します。
paiza(paiza株式会社)
転職希望者はpaizaが提供するスキルチェックを受け、提出します。
企業が求めるスキルを満たした求人のみに応募が出来る仕組みのため、人事・採用担当者としては、一定のスキルを持った候補者に絞って、効率的に選考を進めることが出来る手法であると言えるでしょう。
- SONYやTOYOTAなど、国内大手企業からベンチャー企業まで幅広く利用実績あり
- スキルチェックはJava、Go、Kotlinなど様々なプログラミング言語に対応
- スキル基準を満たした候補者を書類選考なしで面接に進めることで選考期間の短縮化に
まとめ
様々なスキルチェックの方法をご紹介しましたが、いかがでしょうか。
自社の採用要件や採用計画、採用担当者・現場エンジニアのマンパワーなどを踏まえて、スキルチェック方法を検討・活用しましょう。
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